来月にやってくるイノの誕生日まで、不定期更新小説(?)に挑戦。
最終話は5月17日です。
記録文書
4月21日
長野くんとランチを食べた。これが2人で食べる、最後のランチになると思う。
連れて行ってもらったのは、クリームコロッケが絶品な定食屋。どうやら長野くんは常連さんらしく、お店の人はエビフライとメンチカツをおまけしてくれた。嬉しいんだけど・・・・・コロッケ3つにエビフライにメンチカツ2つ。多すぎる。食べ盛りの学生じゃないんだから。そこに大森のご飯と味噌汁とサラダ、きんぴらごぼうが付いて880円。安っ!おなじみのバラエティ番組がテレビで流れてて、サラリーマンとかOLの人かいっぱい。後ろの席に座ったおじさんたちが、最近の若いヤツは。なんてベタな話題で盛り上がってた。
この二人が顔を合わせれば、話題は決まってる。環境観測衛星の行方。三年前に鳴り物入りで打ち上げられた有人衛星なんだけど、半年前から行方不明だったりする。レーダーから消えた上に通信も途絶えた。乗組員の安否が―とか世間は大騒ぎになったから、みんな知ってると思う。もちろん、俺だってそれは気にはしてる。でも、そんなことよりも、衛星そのものの方が話題の主役。だって長野くんの会社が開発の主を担ってるから。俺も半年前まではその会社にいたしね。
で、今日も今日とて設計時のデータの話。もう何百回って見直してるわけ。レーダーから消えたってことは、イコール規定の軌道から外れたってことだから。当然、自動の軌道修正システムは搭載してる。半径50キロまで対応してくれる優れモノ。なのに消えるなんて、元開発主任の俺に言わせれば、乗組員が故意にシステムを弄ったとしか思えない。と、いつも同じことを言う。長野くんは、あえてそんなことをするメリットが分からないから有り得ないと言う。ってな感じで、データの見直しと堂々巡りの水掛け論を繰り広げて終了。意味なさ過ぎ。
大して検証に進展のないまま、長野くんの昼休みが終わる時間が来て別れた。会社に戻る長野くんの背中をずっと見送ってたら、ちょっとだけブルーになっちゃった。もう会えないんだ。っていうのもあるけど、それより、あの人は結局、自分が深く関わった事故の真相を知ることなく終わっていくんだなぁって考えて。でも、俺にはどうすることも出来ない。多分、世界中のどんなにすごい人にもどうすることも出来ない。
あと、26日。
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