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本日２度目の高校生トニセン更新です。

続きではなくてすみません。
でも続きも近いうちにちゃんと書きます。


出演　：　坂本　昌行　・　長野　博　・　井ノ原　快彦













 

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　長野と井ノ原と俺はよく買い食いをする。ファーストフードや牛丼屋に寄る時もあるし、コンビニに寄る時もあるし、それはその時の気分で色々だ。でも長野と井ノ原が異様に気に入っている買い食いメニューが１つあって、それは確かに食べればおいしいしお値段もリーズナブルなんだが、理由としてそれを２人が強く推す決め手に欠ける。たまたま野良猫を追いかけて街を徘徊していた長野が見つけた店らしいんだが、その店はちょっと狭い路地の奥まったところにあって、地元のどの学校の通学路とも少し離れているから俺らみたいな通りすがりの学生が客として訪れる姿は見たことがない。店に行き始めたばかりのころは、よく他のお客さんに「学生さんがここに来るなんて珍しいね。」と言われていた。

　その店はテイクアウト専門の惣菜屋さんで、でも俺たちが、というか長野と井ノ原がいつも頼むものは決まっている。
『山菜おこわおむすび　３個入り　１８０円』
そこそこの大きさのおにぎりを焼き海苔で巻いたそれは、１個60円という計算になるがちゃんと元は取れてるんだろうか？いつも店の爺さんは出し巻き卵をサービスでつけてくれる。この店、いつ潰れてもおかしくない。おいしいのにもったいないな。と俺は行くたびに思う。

　なんでこの店がお気に入りなんだろう？なんでこの店のこのメニューにこだわるんだろう？

　ずっと気になっていたのに聞きそびれてた。ずっと聞きたいと思ってた。だからといって今さらわざわざ聞くのもおかしいか。と遠慮してみたり。ぐるぐる、ぐるぐる回って・・・・・
「なぁ、お前ら何でこの店イチ押し？」
「そんなの決まってんじゃん。１個の包みに同じ種類の同じ大きさのものが３個入ってるからだよ。」
「出し巻きもちゃんと３等分してくれるしね。」
井ノ原が包みを開いて満面の嬉しそうな笑みを浮かべた。長野が自慢げに出し巻き卵のパックを掲げている。なんて簡単な答えだったんだろう。ずっと一緒にいた３人なのに。

　俺は長野も井ノ原も好き。長野は井ノ原も俺も好き。井ノ原は長野も俺も好き。

　その日から、俺はその店の山菜おこわおむすびがどこの何より一番おいしいと感じるようになった。