合唱コンクール ⑤

高校生トニセン更新です。
前回からものすごく開いていることはあえてスルーしていただけると幸いです。
すみません。



出演　：　坂本　昌行　・　長野　博　・　井ノ原　快彦













 

合唱コンクール　⑤




　俺が窓から落ちようが何をしようが合唱コンクールは決行されるわけで、なぜか行事に熱いこの学年は白熱した練習を日々行ってる。きっと姉ちゃんたちに「残りの人生を穏やかに過ごすためには逆らってはいけない人がいる。」という恐怖の感情を植え付けられたであろう教頭と校長は常々俺たちのクラスに優遇措置を施そうとしてくれるけど、俺はそういうの好きじゃないから全部お断りしている。あ、でも差し入れでお菓子とジュースをくれた時は喜んで受け取ったんだけど。だって長野くんの目がものすごく輝いてたからね。

　今日も放課後は居残り練習。してたはず。えーと。ただいま雑談で大盛り上がり中。東雲と楢崎が俺と超絶美人の女子２人がいるところを見たらしく、あれは誰なんだ。とか、紹介しろ。とか。姉ちゃんだっていくら言っても信じてくれなくて、さすがに坂本くんと長野くんが助け船を出してくれた。さらに様子を見に来た寺山先生が切々と姉ちゃんたちの恐ろしさを語って去っていった。あの震え方はトラウマになっちゃった系かも。

　寺山先生の話を聞いたクラスのみんなが、曲を提供してくれたわかな姉ちゃんに挨拶に行くと言い出した。俺はそんなに大仰に崇め奉らなくてもいいって意味で冗談めかして「挨拶とかいいって。それより練習しようぜ。優勝できなかったら殺す。って姉ちゃんも言ってたし。」と言ってしまったことにより、クラスの練習量が平日はもちろん休日も返上の常軌を逸したレベルになった。しまった。余計なコト言っちゃったよ。坂本くんがうんざりしてるよ。吉田さんがピアノの先生連れてきちゃってるよ。クラスのヤツが姉ちゃんの名前を校長にチラつかせて、声楽部の顧問やってる音楽の先生独占しちゃったよ。こうなるから姉ちゃんが絡むの苦手なんだ。可愛がってくれるのはすごく嬉しくても、こういうのは、ねぇ。

　合唱コンクールまであと３日。無事に終わってくれますように。あと、できれば優勝できますように。