合唱コンクール ⑥

高校生トニセン久しぶりの更新です。
放置気味でもう読者の方もいないかとは思いますが・・・・・

合唱コンクール　⑥



　合唱コンクールは文系３組の優勝で幕を閉じた。誰から見てもそれはそれは素晴らしい完成度だったので、当然の結果だと思う。俺たちのクラスは急ごしらえ感満載の『特別賞』なるものをもらったが、顔色の冴えない寺山先生の視線が俺に助けを求めるように注がれていた。文系３組の合唱がすごすぎて優勝をそちらにせざるをえず、けど姉ちゃんが怖くてないはずの賞を無理に作って。なんてことがバレたら余計に姉ちゃんたちの逆鱗に触れそうだと明らかに分かっていたけど寺山先生が可哀相なので触れないでおく。井ノ原家の姉が怖くて登校拒否になりました。なんて言われても困るしね。

　結果を姉ちゃんに正直に報告すると、「へぇ、そう。がんばったわね。」と淡白な返事をわかな姉ちゃんが返してきただけで終わった。悪足掻きながらも最近は時々『特別賞』の出る年があるのだと説明はしておいたけど、明らかにカラクリは見抜かれている。明日あたり、校長と教頭のもとに悪夢再び襲来かな。

　何となく居づらくてその日は坂本くんの家にお泊まりさせてもらった。特別賞をもらったと聞いて無邪気に喜んでくれている坂本くんのお母さんに癒された。赤飯を炊くと張り切り出した時には、さすがに大仰過ぎるからと丁重にお断りしたけど結局、赤飯がダメならとケーキを焼いてくれたので同じだったかもしれない。でも長野くんがすこぶるご機嫌になったからよしとすることになった。

　俺のせいで波乱万丈になってしまった合唱コンクールはこれで終わったわけだが、まだまだ学校行事は目白押しに控えてる。坂本くんの最適な発言を以てそれらについての見解をまとめておく。

　「めんどくせぇ。っつーか教師マジうぜぇ。」