忍者ブログ
AdminWriteComment
V6井ノ原快彦氏主演の妄想非恋愛小説を取り扱っております。
No.
2024/04/28 (Sun) 23:48:19

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

No.314
2009/02/14 (Sat) 23:16:07

短編更新です。

バレンタイン小説です。
が、V6のメンバーが誰かと恋愛とか、ましてやBLなどではありません。
あしからずご了承ください。


出演 : V6















恋愛学特講
 
 
 恋のできる大人は、なんて美しいのだろう。
 
 青森のコンサート会場にひょっこり現れた珍客、三宅は女の子だったら男性陣がもれなく「きゅん」とトキメいてしまいそうな照れを滲ませた笑顔で楽屋にやって来た。もうすぐ本番という心地よい緊張感の漂うそこは、彼の言動により蕩ける甘い空間に急変してしまっている。
「俺の恋の相手はやっぱV6だからさー、こういうことになりました。みたいな?」
世間はバレンタインデー。朝から会場にはどうやら青森のファンの子達が届けてくれたらしいものや、女性スタッフが用意してくれたものなど、結構な数量のチョコレートが存在を主張していた。浮かれた男性スタッフが持ち込んできた『ロシアンチョコレート』なる代物により、巻き込まれた数多くの人間の中からよりにもよって坂本が大量唐辛子入りチョコレートを引き当てた事件は、まだ数時間前の出来事だ。
「もうさぁ、みんなバラバラの場所にいるから大変だったんだよ。剛はオフだから自宅で寝ててくれたけど、岡田は雑誌の写真撮りで群馬にいるし。群馬ってなんだよ!群馬で何撮るんだよ!って感じ。で、極めつけに3人は青森でコンサートじゃん?俺、スゲー強行スケジュールだったんだから。」
直接手渡しとは律儀だと、思った長野は言葉にはせず、ゆるりと三宅の頭を撫でる。
「ありがとう。どのチョコレートよりもあたたかいチョコレートだね。」
湧きあがっていたいくつかの疑問を飲み込んで、井ノ原は大切そうにチョコレートを口に放り込んだ。
「ちょー幸せだなー。俺も恋のお相手の中に入ってるんでしょ?」
気持ちにこたえる事はすなわち、彼の心を守ることだと坂本は認識を強く植え付ける。
「来てくれて嬉しい。お返しに欲しいもの、考えておけよ。」
須く示せ。三宅が望むのは、相通じる強い想いの存在なのだから。
 
 三宅健を秋田で接待しようツアーが敢行された。ホテルのラウンジで新聞片手にモーニングコーヒーを愉しんでいた坂本は、朝には考えられないハイテンションで登場した井ノ原と三宅に引き摺られるようにして連れ出され、タクシーと共に待ち構えていた長野に素晴らしく有無を言わせぬ笑顔で強制参加を言い渡された。目の中に入れても痛くないほど大切な恋人のお相手をするとあって、長野ナビは絶好調である。早朝から横手焼きそばとババヘラアイス。リハーサルのために会場へ行き、昼食はマタギ料理の店。会場に戻れば三宅のために長野と井ノ原が注文しておいたらしい秋田銘菓の数々。夜は坂本のことも考慮してくれたのか地酒の豊富なきりたんぽ鍋の店を堪能し、まさに食い倒れてもおかしくはない行程だった。ギブアップを申請した坂本と酔っ払いの井ノ原を残し、長野と三宅はしょっつるスープのラーメン屋へ行くと夜の街へ繰り出してしまい、ホテルへ戻るタクシーの中にはやっと静かな時間が流れる。
「台風みてぇな恋人だな。」
苦笑を湛えた坂本の呟きに同じく、井ノ原も苦笑を浮かべて頷き返す。
「剛と岡田で凹んだんだよ。あの2人はさ、ちょっと感情表現に希薄だから。」
聞かされた報告では、寝起きの森田と仕事モードの岡田には淡々とあしらわれ、非常に寂しかったらしい。決死の覚悟で告白したのに「迷惑だ。」と一刀両断でふられたみたいな気分だと、三宅は盛大に不貞腐れていた。
「実は泣きそうだったけど。」
「だよね。V6が恋人だとかさ、めちゃくちゃ光栄だもんね。」
「健があの年でキラキラしてんのって、恋のチカラなのかもしれないな。」
「そうだねぇ。」
モテる男はつらいよ。としみじみ呟いた井ノ原の言葉を聴覚のどこかで捉えながら、坂本は窓の外で軽快に流れる景色を眺めていた。三宅の盲目的暴走を生み出す恋は、この先いつまで続いていてくれるだろうか。
 
 全員と両想いだと大騒ぎしながら帰ってきた三宅が見せてくれたのは、森田と岡田がそれぞれ送ってきた「ありがとう。」のメール。どちらも凝った文面ではなかったが、送ってきてくれたこと自体が快挙だと大切に保護されたそれ。三宅の恋は、すべてが無事に円満成就したらしい。
(なるほどな。)
坂本はメールで大はしゃぎする三宅や、心底羨む井ノ原を見て思う。きっと奇跡なのだ。多角的なのに幸せなこの恋は。そして・・・・・・・
 
 
 恋をしているうちは、大人でもキレイに輝けるのである。
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
[319]  [318]  [317]  [316]  [315]  [314]  [313]  [312]  [311]  [310]  [309
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
プロフィール
HN:
ごとう のりこ
性別:
非公開
職業:
妄想家
自己紹介:
無断転載、引用をすると、呪われます。
検索避けが掛かっております。
リンクの際には一言お声かけにご協力ください。
V6非恋愛小説サイト様でしたら、お気軽にリンクしていただいて構いません。むしろしていただけるなんて光栄の極みです。
感想、ご意見などをお寄せいただけると、管理人はニヤリとします。レスは必ずお返しいたします。
リンクの『ごいけんめやすばこ』にてお待ちいたしております。

感想、ご意見などを『ごいけんめやすばこ』に書くのは憚られる。という方は、お気軽にメールでお寄せいただけましたら、管理人は密かに嬉し涙しつつ、お返事させていただきます。リンクの『ゆうびんきょく』よりメールフォームがご利用いただけます。









    follow me on Twitter



    ブログ内検索
    カウンター
    最新コメント
    [01/25 管理人ごとう]
    [01/24 なな]
    [08/21 らん]
    [06/02 管理人ごとう]
    [05/29 あいあい]
    アクセス解析
    最新トラックバック
    忍者ブログ [PR]