V6井ノ原快彦氏主演の妄想非恋愛小説を取り扱っております。
No.309
2009/01/11 (Sun) 23:38:37
アンケート中編、第4話更新です。
フラゲしたくせに見れていなかったDVD。
昨日、やっとVIBESコンを拝見できました。
なんだったんだろう。
あの1月1週目の忙しさは。
記憶に残らないほど忙しかったです。
DVDは、
相変わらずライブが楽しくて仕方ないという顔をした6人がいて、幸せいっぱいです。
半ズボン先輩・・・・・・・。
ときに、
リーダーはどこを目指してるんだろう?
出演 : 井ノ原 快彦 ・ 坂本 昌行 ・ 長野 博
フラゲしたくせに見れていなかったDVD。
昨日、やっとVIBESコンを拝見できました。
なんだったんだろう。
あの1月1週目の忙しさは。
記憶に残らないほど忙しかったです。
DVDは、
相変わらずライブが楽しくて仕方ないという顔をした6人がいて、幸せいっぱいです。
半ズボン先輩・・・・・・・。
ときに、
リーダーはどこを目指してるんだろう?
出演 : 井ノ原 快彦 ・ 坂本 昌行 ・ 長野 博
コレは生まれて初めての経験かもしれないと考えながら、抜かりなく目の前の人物、坂本が欲しているであろう言葉を用意した井ノ原は思い切り破顔して見せた。
「スゲーうまいよ。」
「そうか。」
身の回りの事はすべてお手伝いさんがこなしてくれるので何もする必要はない。料理はもちろん、インスタントラーメンの作り方ですら知らない坂本は、自らのオフィスに呼び出した井ノ原にインスタントではあるがコーヒーを淹れて寄越した。本当に槍が降るのではなかろうかと危惧してしまうような仰天行動である。その超がいくつ付けば『普通』と等号で結びつけることが出来るだろうと頭を大いに悩ませそうな行為に報いるため、見るからに値の張りそうなカップを取り落とさぬように気を遣いながら左手でゆっくりと口元へ運ぶ。際に坂本が食い入るように射抜くように井ノ原を凝視したものだから、褒め称えられるのを待っているのだと判断して美味しいという旨を伝えた。しかし求められていた回答にはもう一捻りが必要だったようで、
「森田剛が淹れたものよりも美味いか?」
と挑むような目つきで訊ねた。森田のコーヒーは、吟味に吟味を重ねた特別な豆をその都度ミルで挽いて淹れる本格的なもの。比べるまでも無くインスタントでは足元にも及ばない。が、そんな指摘をした日には坂本が酷く不機嫌になってせっかく淹れたコーヒーも流しに捨ててしまうことが目に見えており、
「坂本くんのコーヒーの方がおいしいに決まってるじゃん。」
と即答した。どこで井ノ原が森田のお手製コーヒーのお相伴に預かっているという情報を入手したのかは知らないが、勝手に対抗心を燃やしたらしい。
「俺は俺に必要だと俺が判断したもの以外を必要とはしない。このステーションでも快適な生活は送れるから、地球に戻れなくてもいいんだ。」
「坂本くん?」
「テメェの幸せなんてのはな、テメェで守るもんなんだよ。だからお前、もう2度と地球に行くとか言うな。」
「友達だもんね。」
「そうだ。」
「じゃあさ、俺から手紙が届いたら、捨てずに読んで。大事な事いっぱい書くからさ、絶対に、読んで。」
「どうしてそんな回りくどい事をする必要がある。しょっちゅう会ってんだから、口で言う方が早いだろうが。」
「手紙が書きたい気分なんだもん。一生懸命書くからさ、読んでほしい。」
「・・・・・・・わーかった。好きなようにしろ。」
素晴らしい餞の言葉をもらったような嬉しい気持ち。勢いに任せて抱きつきたい衝動を必死に抑えて、コーヒーを一気に飲み干す。期限切れのまもなく訪れる日々が無駄にならなかったということが、短い生涯しか得られなかった自分に与えられた神様からのせめてもの埋め合わせなのだろうと井ノ原は思う。目に見えないのに朽ち果て続けている事を告げることは忘れない身体に、些細な慈悲。自己満足。刻一刻と迫る別れが辛いものになっていくだけだと、だから自分の心がもっと強かったならば、達成できたであろうもう一つの目標が存在するのに。
多くの人間の思惑を乗せ、時間は流れる。
大切に育てた鉢植えを、長野に託した。1から育てた観葉植物がいくつか上手に育ったからおすそ分け。などという月並みな理由を取って付けて。ありがとう。と、大切に育てると言ってくれたけれど、その奥に言い知れぬ灰色の物悲しさが息を潜めているような気がして井ノ原は、明るくその場を盛り上げるという芸当を忘れてしまった。
「じゃあ今日は、これで帰るね。」
もう会うことはないであろう友達に対する挨拶ではないな。いや、むしろこちらの方が正解か。そんな事を考えながら踵を返した井ノ原に、掛かった声は変わらない柔らかく穏やかな、
「あと、どのくらい生きられそう?」
オブラートにいっさい包まれることの無い、鋭い質問。
「まだ当分は生きてるよ。」
嘘は簡単に零れ落ちた。昨日、骨折を隠すための鎮痛剤をもらいに行ったとき、医者は困ったように笑って処方箋を書いてくれたのだ。いつ、極論を言えば明日死んでもおかしくないのだから、もう好きに生きればいいと。その事実を嘆くことはしない。自分自身が痛感している。増えた吐血の回数、思うように動かない身体は赤子の手を捻るよりも容易く傷付く。少し楽観的に構えすぎて目算を誤った。長生きは望んでいない。明日だけ。それだけ生られればいい。ひらひらと長野に笑顔で手を振り、今度こそ図書館を後にした。これは背信行為。友達を裏切るのは痛いと、ほんの少し思っただけで泣きそうになった。
手紙を坂本に宛てて書いた。真実はすべてその中にある。残酷だと非難されるかもしれない。しかし最後の願いになるそれを、告げずにいることは出来なかった。地球が知らず負わされた残酷な役目を人々の知るところとし、心を痛めてくれる人間が未来を幸せへ方向転換させてくれるように。同じ過ちは繰り返さないと誓ってくれるように。大切な人たちが心から笑って日々を送れるように。
真実を知らなければ平穏な時間は続くだろう。地位ある心無い人間たちによって偽られた世界で、大切な人と笑って過ごせる。けれど果たして、それは本当の幸せだろうか。知らない事は罪の一端になり得る。隠蔽された事実が強大すぎたのだ。知らなかったで赦される範疇を大幅に超えていた。ここから新たな出発への一歩を踏み出し、再生を祈るのか叶えるのか。分岐した道のどちらを選択するかは自由だが、蚊帳の外でぬるま湯に浸って対岸の火事だと見逃してほしくはない。自分の未来は、自分で拓くべきだ。
倒れそうなか細い友達を見捨てなかった。その裏にどんな心理が働いていようと、彼は優しかったと思う。普通の優しさの見せ方が出来ないだけ。少なくとも井ノ原自身は信じているのだ。
「約束、守ってくれる。」
本能に刻み込ませるために口に出した途端、背筋を走り抜けたのは壮絶な悪寒。信じていれば大丈夫だと洗脳にも恐喝にも近い手段に踏み切ったことに、ココロが反発しているのだろう。微かに震える足を、ゆったりと幾度と無く撫でてみた。震えは止まらない。
「俺が信じてるんだから。本当に本当に、信じてるんだから。」
ぎゅっと目を閉じ、今にも拡散しようと待ち構えている「大丈夫」たちを必死に引き止める。嘘ではない。嘘などない。生きてきた道はまだ消えず、薄暗い瞼にきちんと映っているではないか。
「俺はこのまま・・・・・・・」
このまま、大切な人を愛おしいと感じながら死にたい。PR
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非公開
職業:
妄想家
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