イノのお父様は、誰とV6を勘違いされたのでしょうか???
これは非常に難問です。
ハナムケノブタイ
ありがちな問題点なのに、どうして誰も指摘しないのだろう?
サッカー部が練習をするグラウンド。フェンス越しに黄色い歓声を送る女生徒に混じって、井ノ原は真剣にその様子を見ていた。視線が追っているのは、たった一人の天才高校生との呼び声高い選手だけ。高い技術力は、チームの中でも突出していて、なるほど天才と呼ばれるだけのことはあると思う。が、チーム全体としての実力は普通に強い。程度。守備力は高いが、攻撃力には穴が多そうだ。しかもメインの天才プレイヤーは体力があまりないように見受けられる。決して勝てない相手ではない。
「ねぇ、いつまで見てんの?」
「もうちょっと。」
「そろそろ制服返さなきゃなんだけど。」
「あと10分。」
「何分見たって同じじゃん。」
「そうなんだけどさぁ、あの天才くんの体力がさ、前半いっぱい続くのか見たいの。」
「剛の体力?続かないよ。はい、結果は分かったでしょ?制服返して。」
「ふぅん、やっぱりね。って健ちゃんさ、そんなに簡単に教える?」
「だって体力ないの、事実だもん。昼寝が趣味なんだよ。」
「俺、敵だよ?明日試合する相手なんだけど。」
「だから?俺にはカンケーないもん。」
「でも友達の応援はするでしょ?」
「サッカーなんて興味ない。」
「でもでもっ、友達には興味あるでしょ?」
「いいから制服。」
「冷たっ。」
「早く返して。」
「分かった、返すよ。ありがとね。って坂本くんに言っといて。」
「坂本くんだけ?俺は?他校生を入れてあげる手引きしたの、俺だよ。」
「だから、健ちゃんにはメシ、おごったげるって。」
「ホントに?井ノ原くんさ、そうやって一回もおごってくれてないよね?」
「全国大会が終わったらおごるってば。」
井ノ原は三宅の言うとおり、他校の生徒だ。明日の試合でぶつかる相手チームの様子を見学に来ている。ただ、他校の生徒ではグラウンドに来ることができないので、知り合いである三宅に頼んで、制服を用立ててもらったのだ。見たかったのは、今年、一番注目されており、プロのスカウトがこぞって狙っている選手、森田剛。数年に一人のスーパーファンタジスタなどと騒がれているからどれほどの選手なのか、自分の目で確かめに来た。が、余裕の笑顔で井ノ原はグラウンドを離れる。
「決勝戦が終わったらさ、ごはん行こうね。何がいいか考えといて。」
「決勝戦?準決勝でウチに負けたら出れないじゃん。」
「勝てるよ。11人対1人のサッカーなんて、試合になんない。」
「どういうこと?」
「ま、明日の準決勝を見れば分かるよ。」
三宅は訝しげな顔をしているが、井ノ原にはちゃんと、勝機が見えていた。とにかく森田に依存しきったチームメイト、自分が思うがままのプレイをすることしか考えていない森田。つまり、森田を押さえ込めば、得点力もなくなる。森田は天才と呼ばれるだけあって、簡単に抑えられる選手ではないが、体力がない。ボールが回ってくるまでは軽く流している様子だけれど、そこをかき回せば簡単に切り崩せる。
「彼、日本のサッカーには向いてないよ。可哀想だけど。」
井ノ原 快彦 藤丘高校サッカー部主将。
CHでチームの司令塔。
森田 剛 天央工業高校サッカー部1年生にしてエース。
センターフォワードでインボックス。
三宅 健 剛の友人で井ノ原の友人。
サッカーには興味なし。
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