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V6井ノ原快彦氏主演の妄想非恋愛小説を取り扱っております。
No.
2024/04/20 (Sat) 03:47:35

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No.331
2009/07/02 (Thu) 23:13:23

本日、永遠の17歳の健ちゃんがなんと30歳になられました。

お誕生日おめでとうございます。

最も信じ難い30歳ですね(苦笑)。
それでこそ三宅健クオリティなんですけど(←何?)。

三十路2人を抱えたカミコン、楽しみですね。

ここからは大人街道を行く健ちゃんをじっくり拝見させていただきたいと思います。

ということで、本日の更新は健ちゃんBD話。


ごとうも参加させていただいていた『HONEY3』が終了いたしました。

楽しいお祭りでしたね。
いつ行ってもトニ塗れで幸せいっぱい!
主催者様、本当にお疲れさまでした。
そしてありがとうございました。


さて、昨日より始まりました9係。
初回から泣きますか!
しかもおまわりさんコスですか!
なんだか1stシーズンの頃の浅輪に戻ったようで、萌え満載です。
これは期待できる!かな?


出演 : 三宅 健 ・ 井ノ原 快彦















天気雨の下でなまぬるいカフェオレは・・・・・
 

 
 
 新しいマグカップを買った。嬉しそうに笑う君は、もう過去なんてとっくに忘却の彼方へ押しやったのもだと思っていたのに。
 
 ああ、人間の記憶力はどれほど残酷なのだろう。
 
 至極単純に捉えたのだ。君はきっと少年のように無垢で無邪気で、まっさらなパレットと酷似するレベルで生存していると。美化とはかくも恐ろしい技である。子供の頃に見ていたヒーローアニメが今でも自分にとって憧れだったという記憶に分類されるが如く、強く刷り込まれた希望。君が人生の再スタートを切った時、汚い出来事は削除されたと信じていたのだ。
 
 アイツは俺を、騙したの?
 
 忘れろと、自分もなかったことにするからと、何十回も繰り返し伝えた。戸惑いながらも承諾してくれたのは、ポーズだったらしい。悔しくて寂しくて、君のマグカップで君の真似をして牛乳と砂糖たっぷりのカフェオレを飲んでみた。

 
 真冬の極寒と言っても過言じゃない夜。贔屓目で見れば退屈な毎日に神様がサプライズを投入してくれたのかな。と。堂々とインターホンを鳴らして「宅急便屋さんの人です。」なんて名乗り方。もう登場からして胡散臭い。普段の冷静な思考回路ならば突っぱねていたのかもしれないけれど、この日は同僚に無理矢理飲み会に召還されたあとで、ひどく疲れていた。ぼんやりとした頭のまま玄関を開けば、緊張した面持ちで黒のつなぎにキャップを被った青年くんが立っていた。手ぶらで。駆け巡る疑問符たちを解析しようとした数秒の隙に押し入ってきた青年くんは俺の眉間に小さな拳銃を突きつけ、今日銀行で下ろした金を全部出せ。と言ったのだ。今日は銀行に行ってない。給料日前に行っても虚しくなるだけだから。と答えるのは得策ではないだろうか。答えあぐねて少し彷徨った視線が、偶然にも些細な勝機を捕える。しっかりと両手で握りこまれた拳銃。その手はカタカタと震えていた。なけなしの勇気を総動員してもなお、青年くんは簡単に人に向けて発砲できるタイプの人間ではないらしい。
「ねぇ、本当に俺が銀行で出金するところを見たの?」
極力穏やかな声色を使う。
「友達が見たって言ってたんだよ。銀行の窓口で帯のついた金をいっぱい受け取ってるトコ。」
「君が見たわけじゃないの?」
「アイツが間違いないって言ったんだ!あれだけあれば借金も全部返せるって!」
つまり友達にいいように唆されたと。
「いくら?」
「は?」
「君の借金。いくら?」
「俺は借金なんてしてない!友達が、競馬とか好きで、なんか、スゲー借金あるから困ってるって・・・・・」
「それで、どうして君が強盗をやるの?それが君の思う友情?」
「だって明日までに返さないと殺されるってっ、でも今日は熱が出てどうしてもいけないからってっ、友達が困ってるのに見捨てるとかできないからっ、だから、俺が代わりに・・・・・」
下手をすれば過剰な芝居なのではないかと勘繰られそうなほど必死に捲くし立てた青年くんは、何故かキャップを取って縋るような視線を寄越す。きれいな目をしているな。と思わず見入ってしまった。
「友達を助けたいって思っちゃダメですか?」
灰暗い玄関に佇む姿は、あまりにも頼りなく揺れる。どんなに善良なお宅にお邪魔したとして、とても強盗という乱暴狼藉を達成できそうにない雰囲気。ふと、自分でも説明の付かない行き過ぎた仏心が顔を出した。
「貸すよ。」
「へ?」
「いくらあればお友達は助かるの?俺の貸せる範囲だからたかが知れてるけど、無利子無担保で君に貸す。」
「ひ、百三十万。」
「だったらなんとかなりそうだね。今日はもう銀行が閉まってるから、明日でいい?」
「どうして、ですか?」
困ったときはお互い様。なんて偽善ではない。
「分かんない。」
「わか・・・・・」
「君になら貸してみたいと思ったから、かな。よく分かんないけど。」
確かに、そんな衝動。
「俺、強盗なのに。」
「それってホンモノの拳銃だよね?初めて間近で見た。触ってもいい?」
下世話な好奇心丸出しの介入者に、青年くんは戸惑いながらもあっさりと拳銃を差し出す。これが作戦で、拳銃を奪われて形勢逆転に陥るとは考えないのだろうか。そんな陳腐なシーンを演じる気は、さらさらないが。
「友達が、よく遊びに行くクラブで買ったって。」
「拳銃を買えるお金はあるんだ?」
「俺が立て替えました。」
この時、とてもとても言い出せなかった。いくらで購入したのかは知らないが、拳銃は精巧に作られたおもちゃだとは。
「明日の昼、13時に繰上駅前にあるコンビニで待ってて。」
 
 利用価値のある人間を、適当に騙しただけ。
 
 強盗の肩代わりまでした友達が、実は自分を利用するためにそのフリをしていただけだと発覚したのは、お金を渡した日の夜の事だったらしい。友達には借金などなくて、強盗をすると決めた日に熱を出したというのも嘘。遊ぶ金を楽して手に入れよう。という酷く稚拙な理由で気のいい男を騙し続けていた。痛々しいほどに君が言い募っていたことは、みっともなくても頭ごなしに人を疑うのは好きじゃない。と。ゆっくり紡ぐこと。結局、悪い人間に利用されていたことが些少の過去に収まる程度だと錯覚させたのは、君自身だったのに。なのにどうして、驚くほどにうろたえた俺は必死で繕うことに没頭していた。
 
 きっと君は人の感情を汲み取る術に長けていて、気付いてしまったんだろう。
 
 いまひとつ理解の出来ない音が響く。「カコン」と控えめに響く。
「アイツは俺を騙したの?・・・・・その質問を、井ノ原くんは俺にさせたかったんでしょ?」
「健ちゃん、俺は健ちゃんを泣かせたくないだけなんだ。」
「へぇ。立派だね。すごいすごい。」
しらけたと断言している目に射抜かれた。耐え切れず落とした視線の先には、転がるマグカップ。そして段取りのように次の音。また、理解しそびれる。
「健ちゃん?」
耳に届いたのは「ザッ」と靴底がコンクリートを蹴る際に生み出される摩擦音だったような。
「健ちゃん、どこ?」
どうしようもないダメな俺は、かろうじて持ち手の取れてしまったマグカップを拾い上げることしか出来なかった。
 
 出会ったのがよりにもよって俺なんかで、ごめんね。
 
 青空に雲がマーブル模様を描き、気持ち程度の雨をしたためている。カフェオレは不快な具合になまぬるく成り下がって、君の代理だと言わんばかりに俺を糾弾した。
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プロフィール
HN:
ごとう のりこ
性別:
非公開
職業:
妄想家
自己紹介:
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