V6井ノ原快彦氏主演の妄想非恋愛小説を取り扱っております。
No.329
2009/06/07 (Sun) 10:59:35
井ノ原快彦氏お誕生日記念中編の更新です。
やっと第2話が書きあがりました。
遅筆モード全開で申し訳ありません。
会社で諸事情が発生し微鬱モードでしたが、金曜に有給を取ったおかげでやや回復。
執筆の波がやってきましたので、一気に書いてみました。
さらに暗い展開に拍車が掛かっておりますので、ご注意ください。
ついったー妄想に食いついてくださったみなさま、ありがとうございます。
ですよね。
3ヶ月連続でシングルリリースなんてされたら、嬉しすぎて気が狂ってしまいそうです。
ぶいろくレンジャー妄想もまだまだ続くと思います(←バカ)
出演 : 坂本 昌行 ・ 井ノ原 快彦 ・ 森田 剛
長野 博 ・ 三宅 健
やっと第2話が書きあがりました。
遅筆モード全開で申し訳ありません。
会社で諸事情が発生し微鬱モードでしたが、金曜に有給を取ったおかげでやや回復。
執筆の波がやってきましたので、一気に書いてみました。
さらに暗い展開に拍車が掛かっておりますので、ご注意ください。
ついったー妄想に食いついてくださったみなさま、ありがとうございます。
ですよね。
3ヶ月連続でシングルリリースなんてされたら、嬉しすぎて気が狂ってしまいそうです。
ぶいろくレンジャー妄想もまだまだ続くと思います(←バカ)
出演 : 坂本 昌行 ・ 井ノ原 快彦 ・ 森田 剛
長野 博 ・ 三宅 健
千載一遇のチャンス。は急転直下、非常に芳しくない事態へと変貌を遂げた。
ズルイ男だと心の中で盛大にため息をこぼした。絶対的確信犯だ。この男は井ノ原が何に怯え、自分に対してどんな感情を抱いているかを知って上で、無茶を強いる。まるで敵か味方かを見抜く試験をとり行うかのような視線で迫り、暴君よろしく圧力をかけて、
「おもしろそうですね。」
模範解答。もう逃れるという道は絶たれた。
「じゃあ今週中に書いてきて。2時間くらいのヤツ。」
「分かりました。」
あまりに無謀な遣り取り。聞いているこっちがイライラする。我儘放題のリーダーと臆病なメンバーは、危うい均衡を保つための手段が酷く乱暴だ。もうやめよう。と、言えない罪は裁かれることなく、内側で静かに膨らむ一方。願わくば、V6というグループが今ここで消滅でもしてくれないだろうか。
「そんなに恐いカオしなーい。」
いつの間に、いや、自分が思考の波に飲み込まれて気付いていなかっただけ。すぐ眼前まで距離を詰めていた井ノ原に「ふにゃり」と頬を引っ張られた。その手はすぐに離れていったけれど、じんわりとした熱だけは感触として残る。
「剛も見てよ。これってどう思う?」
差し出されたのは数枚のプリントアウトされた文書。つい今まで坂本に披露していたもの。微細に渡り書かれた設定は、V6が演じる舞台の脚本用に考えられたのだろう。これを2時間ほどの芝居が構成されるための本にたった1週間、正確には6日間で書き上げろと、あの我儘リーダーは言ったらしい。無謀だ。なんと身勝手な。非難を告げる言葉しか浮かんでこない。脚本など書いたことがないくせに。どこまで無責任を押し通せば気が済む?
「だーかーらー、そんなに恐いカオしないの。」
「書けんの?いいや、書けないね。脚本を1冊上げる苦労を、あの人は知らない。」
階段で数歩先を歩く坂本を、引き摺り落としてやりたいと何度思っただろう。
「坂本さんは思いついたら即行動!の人だからね。しょうがないよ。」
「井ノ原くんが妥協して言うこと聞くから、あの人が付け上がんだと思うけど。」
「妥協なんてしてない。剛は坂本くんに敵意を持ちすぎ。」
じゃあどっちが大事なのか?と面倒臭い女みたいな事を聞きたくなって必死で飲み込んだ。
「そんなだから、健が攻撃したくなんじゃねぇ?」
けれど大差ない敵意のある言葉を吐いて、同時に表情を窺う。何ら変化は見られない。ただ「そうかなぁ。」と間延びした声を発しただけ。天然なのか計算なのかを推し量る事は出来ないが、こういう態度が一層相手の神経を逆撫でするのだ。恐がってどうにか身を守ろうとしているのは、痛いほどに分かるけれど。
「何かをやりたいって思うのは簡単だよね。でも、実際に行動を起こすにはすごく、ものすごく勇気がいるからさ。」
単純な話、最も短絡的で年端のいかない子供でも考え付く答えがある。スタンダードな親の叱り文句としてお馴染みの「我儘を言うな。」の一言。
「アンタはスゲェと思う。スゲェ才能あるし、スゲェ馬鹿。」
毒をふんだんに盛り込んだ言い草にヘラリと相好を崩して見せた本人は気付いていないだろう。駄作に匹敵する不細工な笑顔がそこにあることに。
悪ノリにも限度がある。大人の力によって無理矢理作り上げられた虚構に次を求めるのは、残酷と呼ばず何と呼べるのか。第一線で活躍する舞台俳優の一言がきっかけだった。その若さにして人気・実力共にトップクラスにある坂本昌行が本気か気まぐれか歌手をやってみたいと何気なく呟いた。彼を取り巻く大人たちは面白いと食いつき、迷惑なことにお膳立ての核となる部分を彼に託したのだ。いい感じのメンバーを5~6人集めておいてください。そんな風に任せるのは危険すぎることなんて火を見るより明らかである。無責任に寄せ集めで結成されたグループは今、内部崩壊に向けて疾走中。誰かが言い出しっぺを擁護したなら断言してやりたい。その男こそ、諸悪の根源なのだと。
「こういう原稿はよくないよ。三宅くんの立場が悪くなると思う。」
坂本昌行には悔しいけれど、地位もコネも十二分に揃っているから。
「そうですね。とっても残念ですけど。」
ここで関係ない。後のことなどどうでもいい。と青臭い駄々をこねるほども若くなかった。パソコンの中で整然と綴られていた文章は消去され、現れた別のシートに並ぶのは優等生的文章。
「脚本家だから簡単なんですよ。心にもない事を文字にするのも。」
3年もグループを共にしている中で再三提案しているのに全く抜けない敬語に心の中で苦笑し、長野は覗き込んだ画面の中で繰り広げられるきれいごと過ぎる文章に今度は苦笑をしっかり露わにする。リーダーとしての坂本昌行を褒め称え、メンバーの絆を強調し、支え合える仲間に普段は決して伝えることはないけれど本当はとても感謝しているというような内容。これら全てが心にもない事なのが皮肉だ。
「アイドル雑誌の記者なんてチョロいものです。どうせ上っ面の華やかな部分だけしか見ていないんだし。」
「それが彼らの仕事だから・・・」
「そうです。あの人たちは自分のやるべき本来の仕事をやってる。正しいですよ。紛れもない事実だ。けど俺は、俺の仕事はアイドルなんかじゃない。俺の仕事は劇団の脚本を書くことで、歌ったり踊ったり無理矢理な作り笑顔で写真に写ることじゃない。剛が辞めるって言わないから我慢してついてきたけどさ、もう、潮時だと思いません?」
確かで不確かな既成事実が先走って、強要された道はやがて終わる。
「俺が止めても無駄だよね。でも、三宅くんは今と同じ事を森田くんにも言えるの?」
「さぁ?でも切り崩し方は一通りじゃありませんから。」
脆いのだ。力まなくとも壊せる。森田剛という困難な支柱をあえて狙うことはない。もっと近道があるのだから。払う犠牲は必要最低限に。還りたいと願う心を折ることなく、まだ戦えると信じているのは気力のゲージが赤く点滅してもゼロには至っていない事を確認済みであるという保障の上に成り立つわけで、
「トイレ、行ってきますね。収録が始まったら気軽に出歩けなくなるんで。」
三宅健のターン。攻撃対象は妙に存在感の強い彼。
誰の過失?坂本昌行の過失。幇助罪が適用されるのは?長野博と井ノ原快彦という共犯者。中でも容易くダメージを与えられる標的は?
「イノハラなんて、潰れてしまえばいい。」
懺悔ならば後でいくらでもしよう。いつも一緒に同じ時を過ごす彼は、結局最後には譲歩して許すのだ。ずるいと批判されたところでそれがどうだと言うのか。世界には風化という便利な現象がある。三宅が何かしらのカタチで井ノ原を壊したとして、彼をリスペクトする森田の動揺も時間と共に薄れ、消えていくだろう。空間はまだ閉鎖されていない。坂本昌行は完璧な王者には達していないのだから。井ノ原という男の弱点はどうやら、人に嫌悪の感情を抱かれる事を極度に恐れる臆病さ。彼は怒れない人間。彼は己を押し殺すのをよしとする人間。こんなに疲弊した状況下でもさらに笑ってやりすごそうと足掻く、弱者。知っている人間は多いはず。喫煙を理由に独りの空間へ逃げ込む癖を。
「みーつけた。」
楽屋とは異なる階層にある喫煙所を利用するのが常。
「聞いてよイノハラ。明日のオフ、なくなっちゃったんだって。おかげで脚本、また遅れちゃうよ。」
「明日って仕事なの?みんな?」
「そう。坂本昌行が勝手に雑誌の取材、受けちゃったから。なんで?なんで止めてくんなかったの?そういう役を担うためにイノハラがいんのに、これじゃ意味ないじゃん。」
「ごめん。」
「謝ってもらってもメリットないし。っつーかアンタさ、じゃあその取材をやめさせようとか思わないわけ?」
「それはムリ、だと思う。ホントごめん。」
「はぁ?チョー役立たず!マジ有り得ない。」
「ごめん。」
「イノハラってさ、いつか坂本昌行に見限られそうだよね。使えなさすぎで。」
敵意剥き出しの鋭い視線を集中させる。段階を経て俯いてしまった井ノ原が浮かべる表情は、泣き出す数歩手前だ。もっと。もっと強大で決定的な攻撃を。
「剛に迷惑かけてる責任は、絶対に取ってよ。大人なんだから、責任の取り方くらい分かるでしょ?」
オマエナンカ・・・・・・・
「全部アンタのせいなんだ。」
オマエミタイナヤツナンカ・・・・・・・
「イノハラさえいなけりゃ、剛は自分の進むべき道を捻じ曲げずに済んだのに。」
オマエナンカサッサト・・・・・・・
「最低の人間だね。終わってるし。」
キエテナクナレ!
「ごめん、なさい。」
膝の上で握り込んだ掌が震えている。少し気が晴れた。6人の中で自分と森田以外の誰かが力尽きても、これっぽちも痛みはない。むしろせいせいするはずだ。偽者の指針は排除され、きっとその先には待ち望んだ日常が諸手を挙げて歓迎してくれているだろう。まだわずかながら頑張れる。解放の日は近いという日毎色濃くなりつつある希望のおかげで。PR
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職業:
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