V6井ノ原快彦氏主演の妄想非恋愛小説を取り扱っております。
No.371
2011/01/26 (Wed) 17:37:51
高校生トニセン小話更新です。
受け継がれていくかもしれない話。
出演 : 坂本 昌行 ・ 長野 博 ・ 井ノ原 快彦
受け継がれていくかもしれない話。
出演 : 坂本 昌行 ・ 長野 博 ・ 井ノ原 快彦
お楽しみはこれからだ
入学式をついこの間終えたばかりの新入生たちをいろいろなところで見かける。井ノ原なんかは「先輩」と声を掛けられて泣きそうな顔で喜んでいた。俺としては特に先輩になる感慨などないが、食堂と売店が若干近くなったのはいいと思う。これには長野も喜んでいたし。で、今井ノ原と苦心惨澹で遂行している任務がその「長野を探す」という難易度の高い任務だ。3限の途中で窓の外を見て「あっ!」と声をあげてふらりと教室から出て行ったきり戻ってこない。朝っぱらからうたた寝モードだった井ノ原が窓の外に何を見たかを知る由もなく、とりあえず探そう。と意気揚々で俺と教室を出てから1時間以上が経過。未だに携帯が鳴らないところを見ると、長野発見には至っていないのだろう。かく言う俺も長野の姿はおろか目撃情報も得られていない。
事態に進展があったのは4限ももそろそろ終わろうかという時間。井ノ原にメールをもらって駆け付けた中庭にあった光景、子猫と戯れる長野と見掛けない男子生徒2人。それを見守る井ノ原。頭痛がするのは気のせいか。
「これはどういう状況だ?」
不機嫌口調で諸悪の根源に問いかければ、それまで満面の笑みで子猫にかまっていた男子生徒2人がフリーズした。自分としては長野に言ったつもりだったのだが、どうやらひっくるめて怒られていると思わせてしまったらしい。
「おい長野。これはどういう状況なんだ?」
改めて名指しで言いなおせば、
「坂本くんっ、見て!この子かわいいでしょー。「かすみ」っていうんだよ。今日連れて帰るんだ。」
「は?かすみとかなんだ?まだ授業中だぞ。っつーかそこの2人は誰なんだよ。俺と井ノ原がメールしても電話しても出ないし、お前はそうやって楽しい時間を過ごしかもしれないが俺たちは・・・」
「かすみー。このこわいおにいちゃんはさかもとくんですよー。でもじつはあんまりこわくないひとだからなかよくしてあげてねー。」
「長野!」
「あのっ、その猫本当は・・・・・」
「君たちもう行っていいよ。猫のことはこっちで責任持つからさ。長野くんも気に入ったみたいだしね。」
「でもあの人が怒ってるしダメなんじゃ。」
「大丈夫。だから早く戻って、そろそろ教室に馴染みな。3年の高校生活、お楽しみはこれからなんだから。」
「・・・・・じゃあっ、よろしくお願いします!長野先輩、井ノ原先輩。」
「お前らもがんばれよー。ホントお楽しみはこれからだぞー。」
井ノ原に促され、2人の男子生徒はこちらを気にしながらも去っていく。長野は子猫を抱えてにこやかな笑顔で手を振って男子生徒をお見送り。俺は取り残されて状況が見えないままだ。とりあえず当事者である長野に事情聴取をしようと口を開きかけたが、それは4限終了のチャイムに遮られてしまった。
「坂本くん、井ノ原。お昼ごはん食べよ!」
井ノ原にザックリと聞いた事情によると、あの猫は1年の男子生徒2人がこっそり中庭で飼っていた野良猫らしい。朝、昼、休み時間、放課後、ホームルームなど、教室の雰囲気に馴染めずにいた2人は猫を逃げ場所にしていつもここにいたのだという。3限がホームルームに変わったためいつも通り中庭に来た2人を長野が偶然窓から発見して乱入。なんだかんだで結局4限をサボって中庭に滞在したのだそうだ。しかし途中で現れた井ノ原の説得により、2人は教室でクラスメイトと交流を深めることに前向きになったらしいからそれはよしとしよう。しかし、
「お前はもうちょっと理性を働かせられないのか。」
「帰りにかすみ用のお皿買って帰ろうねー。あとラグもいるかな。」
「長野、俺の話を聞け。」
「2人も付いてきてくれるよね?ついでにウチで遊ぼうよ。」
この自由奔放な幼馴染の生活はいっこうに改善の兆しを見せない。井ノ原は楽しいのだからいいと楽天的なことを言うが、俺と寺山先生の身にもなってみろ。と言い返したい。それをしないのは俺がきっと、長野の過去をいつまでも引きずっているからだ。甘いな。はちみつよりも甘い。
※ かすみは無事、長野家の家族になりました。
入学式をついこの間終えたばかりの新入生たちをいろいろなところで見かける。井ノ原なんかは「先輩」と声を掛けられて泣きそうな顔で喜んでいた。俺としては特に先輩になる感慨などないが、食堂と売店が若干近くなったのはいいと思う。これには長野も喜んでいたし。で、今井ノ原と苦心惨澹で遂行している任務がその「長野を探す」という難易度の高い任務だ。3限の途中で窓の外を見て「あっ!」と声をあげてふらりと教室から出て行ったきり戻ってこない。朝っぱらからうたた寝モードだった井ノ原が窓の外に何を見たかを知る由もなく、とりあえず探そう。と意気揚々で俺と教室を出てから1時間以上が経過。未だに携帯が鳴らないところを見ると、長野発見には至っていないのだろう。かく言う俺も長野の姿はおろか目撃情報も得られていない。
事態に進展があったのは4限ももそろそろ終わろうかという時間。井ノ原にメールをもらって駆け付けた中庭にあった光景、子猫と戯れる長野と見掛けない男子生徒2人。それを見守る井ノ原。頭痛がするのは気のせいか。
「これはどういう状況だ?」
不機嫌口調で諸悪の根源に問いかければ、それまで満面の笑みで子猫にかまっていた男子生徒2人がフリーズした。自分としては長野に言ったつもりだったのだが、どうやらひっくるめて怒られていると思わせてしまったらしい。
「おい長野。これはどういう状況なんだ?」
改めて名指しで言いなおせば、
「坂本くんっ、見て!この子かわいいでしょー。「かすみ」っていうんだよ。今日連れて帰るんだ。」
「は?かすみとかなんだ?まだ授業中だぞ。っつーかそこの2人は誰なんだよ。俺と井ノ原がメールしても電話しても出ないし、お前はそうやって楽しい時間を過ごしかもしれないが俺たちは・・・」
「かすみー。このこわいおにいちゃんはさかもとくんですよー。でもじつはあんまりこわくないひとだからなかよくしてあげてねー。」
「長野!」
「あのっ、その猫本当は・・・・・」
「君たちもう行っていいよ。猫のことはこっちで責任持つからさ。長野くんも気に入ったみたいだしね。」
「でもあの人が怒ってるしダメなんじゃ。」
「大丈夫。だから早く戻って、そろそろ教室に馴染みな。3年の高校生活、お楽しみはこれからなんだから。」
「・・・・・じゃあっ、よろしくお願いします!長野先輩、井ノ原先輩。」
「お前らもがんばれよー。ホントお楽しみはこれからだぞー。」
井ノ原に促され、2人の男子生徒はこちらを気にしながらも去っていく。長野は子猫を抱えてにこやかな笑顔で手を振って男子生徒をお見送り。俺は取り残されて状況が見えないままだ。とりあえず当事者である長野に事情聴取をしようと口を開きかけたが、それは4限終了のチャイムに遮られてしまった。
「坂本くん、井ノ原。お昼ごはん食べよ!」
井ノ原にザックリと聞いた事情によると、あの猫は1年の男子生徒2人がこっそり中庭で飼っていた野良猫らしい。朝、昼、休み時間、放課後、ホームルームなど、教室の雰囲気に馴染めずにいた2人は猫を逃げ場所にしていつもここにいたのだという。3限がホームルームに変わったためいつも通り中庭に来た2人を長野が偶然窓から発見して乱入。なんだかんだで結局4限をサボって中庭に滞在したのだそうだ。しかし途中で現れた井ノ原の説得により、2人は教室でクラスメイトと交流を深めることに前向きになったらしいからそれはよしとしよう。しかし、
「お前はもうちょっと理性を働かせられないのか。」
「帰りにかすみ用のお皿買って帰ろうねー。あとラグもいるかな。」
「長野、俺の話を聞け。」
「2人も付いてきてくれるよね?ついでにウチで遊ぼうよ。」
この自由奔放な幼馴染の生活はいっこうに改善の兆しを見せない。井ノ原は楽しいのだからいいと楽天的なことを言うが、俺と寺山先生の身にもなってみろ。と言い返したい。それをしないのは俺がきっと、長野の過去をいつまでも引きずっているからだ。甘いな。はちみつよりも甘い。
※ かすみは無事、長野家の家族になりました。
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職業:
妄想家
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感想、ご意見などをお寄せいただけると、管理人はニヤリとします。レスは必ずお返しいたします。
リンクの『ごいけんめやすばこ』にてお待ちいたしております。
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