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V6井ノ原快彦氏主演の妄想非恋愛小説を取り扱っております。
No.
2024/05/06 (Mon) 16:48:05

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No.270
2008/09/28 (Sun) 16:37:00

アンラブリンク祭り『十五夜企画』出展作品をアップです。


9係です!
とうとう9係1st Season のDVDが発売されました。

イノに萌え!
それに尽きます。
ジャケットといい、内容といい、たった3年前なのに異様に若い。
そんなイノに萌え殺されかけました(苦笑)。
あのくらいの髪の長さも好みですね。

これが11月まで毎月続くなんて、至福ですよ。


そして、ウルトラマンを観て来ました。2回目です。
2回観てもおもしろいという感想を述べられるところが素晴らしい。

で、やっと思い出しました。
ヒッポリト星人はウルトラマンエースに登場していたこと。
観るなりね、ピンとは来てたんですよ。
おそらく、ウルトラマン史上最強の怪獣ですからね。
ウルトラの父に勝っちゃってますからね。
ただ、劇場版で再びお目にかかったときに思い出せなかったという。
あー、スッキリ!


そしてそして、本日の日本グランプリのゲストはヒロシ。
もうレギュラーですね。








月と無理心中
 
 
 
 
 
 気付いていたのだ。とっくに知っていた。紛れもない事実はひとつで、あとわずかな時間を経るだけで、彼という存在が消えてしまうということ。
 
 
 俺は、冷酷で薄情な人間だ。
 
 
 日ごと満ちていく月は、まるで彼自身を吸い取って精気としているように見える。実際にそうなのかもしれない。焼ける様な苦痛の感情が胸を覆いつくしていたのは、ほんの数日という短い間だけのことだった。次第に薄れて沈静化したのだ。彼が行き着く結末はそれだということが、当然のことに思えてきた。激しい疑問符が何度も頭の中で乱立され、なぜ彼が?と繰り返し答えの導き出されることは決してない問いかけを続けた。しかし傲慢な自己満足の果てに到達した解答は、彼だから仕方ない。という無責任な傍観者としてのスタンス。彼だからこそ、彼が彼という人格を形成しているからこそ、彼が彼という存在であることをやめないからこそ、選ばれたのだろう。誰も望んでなどいなくとも、強い牽引力で一方的に。そして彼は、それを自然に受け入れている。
 
 
 喪いたくなかった。
 何を、喪いたくなかった?
 
 
 あと2日。新聞の片隅に申し訳程度に用意された月齢を報せる場所。すっかり日課になってしまった行為。たった2日、まだ2日。彼は、カタチを成す。
「もうすぐだね。」
すっかり聞き慣れた声に、怯えたように身体が竦んだ。恐怖感と罪悪感の入り混じった複雑な感情が邪魔をして、顔を上げることさえ侭成らない。
「今年は坂本くんの家だっけ?楽しみだなぁ。」
「井ノ原、今年は・・・・・」
今年は叶わないと、知っているのにワザと話題として口に出しているのか?一度は言おうとして、慌てて嚥下した言葉。怪訝な視線が注がれている。彼は気付いていないだろう。言いかけておいて飲み込んだ現実的な疑問を。
「もうすぐ、満月だ。」
彼はもう一度繰り返した。これは見紛うことのない確信めいた未来だと、断言するかのように。15という数字を、これほどまでに忌み嫌う事は人生において、後にも先にも今夜に限ってのことだろう。
 
 
 ベランダに続く窓の鍵を、あえて開けておいた自分の心理は理解出来ない。
 
 
 必然的に訪れた幕切れは平淡で、我に返った瞬間に雪崩の如くすべてが思考回路を駆け巡り、理解した。手の中に納まった缶ビールは、人肌ですっかりぬるくなっている。彼を見失って、それほど長い時間が経過していたことを示す唯一のモノ。開け放たれた窓、微かな風に波打つ淡い色のカーテン。ベランダには誰の姿もなく、しかしテーブルの上には飲み差しの缶ビールがある。月齢15の夜に、無意識の中の意識が警鐘を鳴らしていた。想定の範囲内、彼は最初から存在していなかったかの如く、姿を消すだろうと。満ち足りた月に見下ろされ、どこか知り得ぬ世界へと。
 
 
 物語は続く。
 
 
 いつどのタイミングで眠りに着いたのかは分からないが、強い雨音で覚醒した。リビングのテーブルに突っ伏して眠っていた自分の手には、半分ほど飲み残された缶ビール。そして誰かが一緒に居たかのように、向かい側にも飲み残された缶ビール。比較的新しいはずの昨夜の記憶を引き出そうと思考を逡巡させるが、持ち去られてしまったかのように何も、導き出されはしなかった。昨日、自分は何をしていただろう?もちろん、仕事だ。それらを終え、帰宅して缶ビール片手にここに辿り着いたに違いない。奇妙なのは、それが半分しか減っていないこと。酒に強い事に関して、はっきりとした自信がある。こんな微量で酔うことなど、有り得ない。ならばなぜ、眠ってしまったのか?ゆるりとした思考に添うように、聞こえるのはあまりにもはっきりとした雨音。窓が開いていた。昨夜、開けていただろうか?とても大切なことだという確信はあるのに、抜け落ちて戻る兆しも見せようとしない昨夜という時間の中で、何かかけがえのないものを喪ってしまったような気がする。そして喪う過程に、自分が故意に加担していたことも理解出来る。ただ、唯一、何を喪ってしまったのかが思い出せない。
 
 
 昨夜は満月の夜だった。
 月が昇ることを、俺は確かに畏れていたはずだ。
 
 なぜ、畏れていた?
 何を、恐れていた?
 
 「さかもとくん。」
 
 甘えたような口調で呼んで欲しいと、咄嗟に願った。
 誰に呼んで欲しいのだろうか?
 
 「さかもとくん。」
 
 矛盾した答えが用意された。
 
 「煩せぇな、ちゃんと聞こえてるよ。」
 
 誰に、対して?
 
 
 
 
 
 
 
****************************************
 
 
 
 
 
 
『Denied existence value』管理人、ごとうのりこです。
 
 十五夜企画、テーマは月。
 月というのは神秘的。というイメージを勝手に持っているため、こんな話になりました。
 どこかドライなリーダーとマイペースなイノを書いてみたつもりなのですが・・・・・
 単に救いもへったくれもない暗い話になってしまった気もしなくはありません(爆)。
 何がどうなったかは漠然としたイメージでしか書いていませんので、
 読んでくださった方に妄想していただけましたら幸いです。
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