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V6井ノ原快彦氏主演の妄想非恋愛小説を取り扱っております。
No.
2024/12/26 (Thu) 18:29:58

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No.266
2008/08/31 (Sun) 14:00:09

本日を持ちまして、当サイト・・・・・

一周年を迎えることと相成りました!!

ありがとうございます。
こんな素晴らしい日を迎えることが出来たのも、

このサイトに足を運んでくださったみなさま、作品の感想をくださったみなさま、
リンクを張らせて頂いている管理人のみなさま、
こんな自堕落街道まっしぐらのごとうを支えてくださるみなさま、

とにかくとにかく、心温かいみなさまあっての快挙でございます。

本当に、心から感謝の気持ちをここで表明させていただきたいですね。
更新のペースが曖昧だったり、スランプで逃亡寸前になったりと、
まだまだ拙い管理人でございますが、
この先もずっと非恋愛小説を前向きに執筆していく所存です。
今後とも、どうぞご愛顧いただけましたら幸いでございます。

ありがとうございます。
よろしくおねがいいたします。

ということで、一周年記念短編を更新です。
コチラの作品、もしもご所望の方がいらっしゃいましたらどうぞ、お持ち帰りください。
その際には、大変お手数ですがごとうに一言、お声かけだけはお願いいたします。
コメント、めやすばこ、ゆうびんきょく、どこでも結構でございます。
ご協力のほど、よろしくお願いいたします。


出演 : V6









Scratch about ・・・・・
 
 
 
 
 何を恐れる必要がある?俺たちは誰しも、いつかは必ず土に還ると決まっているんだ。
 
 
 5つの鐘が鳴った。陽は水平線の近くまで傾き、気付けば辺りに人の気配はない。土だらけになった手を払い、井ノ原は足元にシャベルを突き立てた。闇ばかりが勝る心の中には、時折差し込むかすかな光があったり、なかったり。
「よっちゃん。」
いつまでも聞こえる優しい幻聴が胸を締め付ける。彼らはもういないし、この女々しくも続けている行為にだって意味はないのに。分かっているのだ。けれどやめたくない。やめてしまったらきっと、きっと、もう呼吸さえ出来なくなってしまうから。
「よっちゃん、帰ろう。今日のご飯はグラタンだってさ。」
まだ信じている。ここで穴を掘り続けていれば、あの人は迎えに来てくれる。ここで穴を掘り続けて泥だらけになって家に帰れば、あの人は苦笑をしながら風呂が湧いているから先に入れと言ってくれる。あがった頃には食卓に夕食が並んでいて、部屋でゲームに興じていたアイツらや、リビングで読書に没頭していたアイツも集まってくるんだ。みんなが笑顔でそこに集まって、一緒に夕食を食べるんだ。一番年上のあの人は和食党なのだけれど、俺より年下のアイツらは洋食党。だから洋食が食卓に上ることが多くて、二番目に年上のあの人は、おいしければ何が出てきても文句は言わない。そしてときどき、気まぐれでデザートが出てくると一層盛り上がる。6人で囲むにぎやかな食卓が、大好きだったのに。食卓だけじゃない。6人で過ごす時間が、大好きだったのに。
「今日さ、アンタ穴掘り休みなよ。俺のサッカーの試合、応援に来て。」
照れ隠しの為の横柄な口調でアイツが言った。最期の試合の日の朝だった。
「ねぇ、みんなの浴衣を縫ってみたんだ。だから一緒に縁日に行こうよ。」
甘えたような声でアイツが言った。最初で最後、6人そろって出かけた花火大会だった。
「見たい映画があるんやけど、付き合ってくれん?」
ぎゅっと腕を掴んでアイツが言った。珍しく必死な表情に、頷く以外の選択肢はなかった。
「よっちゃん、頑張らなくても俺たちは、離れていかないよ?」
上から二番目のあの人のふんわり柔らかな声は、俺を一番甘やかしてくれたものだ。いや、とかく年上の二人は俺に、チョコレートに砂糖と蜂蜜をかけたんじゃないかってほど甘かった。どんな結果が待ち受けていたとして、決して俺のことを責めたりはしなかったから。それが逆に俺にしてみれば、何より厳しい責め苦だったのだけれど。
「ごめんな。お前の想いに報いてやれそうにないわ。」
一番年上のあの人が、苦しそうな泣き笑いを浮かべて言った。謝るのは俺の方だ。俺が間に合わせることができなかったから、みんないなくなってしまったのに。俺の力が足りないせいで、終わる時が来てしまったのに。すべては俺のせいなのに。
 
 俺は絶対に見つけなければいけなかった。彼らを救う『モノ』を。
 
 
 何を恐れる必要がある?俺たちは誰しも、いつかは必ず土に還ると決まっているんだ。と言ったのは、一番年上のあの人だった。喪うことが恐くて、ただ穴を掘ることに躍起になっていた俺に言ったこと。今なら少しだけ理解出来る。バカな俺に、教えてくれようとしていたのだろう。そんなことよりも、残されたわずかな時間を一緒に過ごす方がずっと有意義だと。それに気付けなかった俺への罰だから、やめることはできない。あの特別な『モノ』を見つけるための行為を。この身がどれほど疲弊したとしても。
 
 
 海岸の外れの大きな木の下で、青年の死体が発見された。その姿は誰もが嘆息するほどに綺麗で幸せそうだった。シャベルと小さな箱を両の腕で抱きしめて、深く深く掘られた穴の傍らに倒れたその姿を見た人々は、少し愛おしくさえ感じたという。
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HN:
ごとう のりこ
性別:
非公開
職業:
妄想家
自己紹介:
無断転載、引用をすると、呪われます。
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