V6井ノ原快彦氏主演の妄想非恋愛小説を取り扱っております。
No.300
2008/12/14 (Sun) 16:20:37
短編更新です。
40000HIT突破いたしました。
ご来訪いただきましたみなさま、本当にありがとうございます。
思えば、
「V6」で文章が書きたい!
という突発的な衝動に流されるがままに始まったこのサイト。
こんなにもみなさまに可愛がっていただけるとは、微塵にも考えておりませんでした。
それが蓋を開けてみれば、あれよあれよという間に4万ヒット超え。
なんて幸せなんだろう、自分。
何か新しい書き方を出来ないだろうか?
何か新しい切り口の話を書けないだろうか?
そんな風に日々試行錯誤を重ねながら、今後とも全力疾走で参ります。
よろしければ、今後ともお運びいただければと存じます。
まだまだ拙い管理人ではありますが、どうぞよろしくお願いいたします。
心より感謝、多謝申し上げます。
出演 : 井ノ原 快彦 ・ 坂本 昌行
40000HIT突破いたしました。
ご来訪いただきましたみなさま、本当にありがとうございます。
思えば、
「V6」で文章が書きたい!
という突発的な衝動に流されるがままに始まったこのサイト。
こんなにもみなさまに可愛がっていただけるとは、微塵にも考えておりませんでした。
それが蓋を開けてみれば、あれよあれよという間に4万ヒット超え。
なんて幸せなんだろう、自分。
何か新しい書き方を出来ないだろうか?
何か新しい切り口の話を書けないだろうか?
そんな風に日々試行錯誤を重ねながら、今後とも全力疾走で参ります。
よろしければ、今後ともお運びいただければと存じます。
まだまだ拙い管理人ではありますが、どうぞよろしくお願いいたします。
心より感謝、多謝申し上げます。
出演 : 井ノ原 快彦 ・ 坂本 昌行
クレヨン
36色のクレヨンは子供たちにとって夢のアイテムだ。小学生の頃、あんなものを持っていればクラスのヒーローになれただろう。本来の持ち主である少年もそうだっただろうか。色とりどりのクレヨンを駆使して、幸せな毎日を、
「さかもとくん、かけたよ。」
十二分に選ぶ色があるはずであるのに、選ぶ色はいつも黒。感情とリンクした、まるで先の見えない黒。
「アコースティックギターか。井ノ原はホント、絵がうまいな。」
過去の話だ。たった9歳の子供がこの世を去った。遠足で楽しく列を成して歩く子供たちの集団に、ぜんそくの発作を起こした女性が運転する車が突っ込むというやりきれない事故。学級委員長を務める利発な少年は、自分の怪我は大したことがないのだから、他のみんなを診てほしいと笑った。全力で背伸びを試みた嘘だった。少年は待合室で一人静かに医者の手が空くのを待ち、医者の目に留まる前に一人静かに息を引き取ったのだ。長椅子に横たわる少年の足元にはスケッチブックと散らばったクレヨン。バカ正直に診察もせずに子供の言葉を鵜呑みにした井ノ原は、医者としてあまりにも力の及ばない自分を酷く嫌悪した。たった1枚の胸部写真を撮ることで、少年は助かっただろう。
「今日は何があったんだ?」
「非行少女のお母さんがね、腹を立てて呼吸器を外したんだ。看護士が気付いたときには完全に手遅れで、そのお母さんは心からホッとした風に、窓の外を見てた。」
悲しいかな、クレヨンとスケッチブックの出番は決まって何か辛いことや悲しいこと、憤懣やる方ないことが仕事場で起こった日にやって来る。小児科医として救命救急に携わる井ノ原は、子供が大きな悲劇に見舞われるシーンに出くわすことが多い。それにより蓄積された陰鬱とした感情をごまかすように、色のない絵を描く。坂本は聞き手ではあるが、下手な慰めや励ましをしない。井ノ原の痛みをすべて理解出来るのは、井ノ原自身でしかない事を理解しているから。
「無免許の彼氏のバイクの後ろに、乗っただけなのに死ぬなんてね。まぁ中学生なのにタバコ吸ってたし、家にもロクに帰らない素行不良な子だったみたいだけど。けど、さ、母親が先陣を切って見放すとか、ないよ。そんなの、おかしいじゃん。まだ15歳なのに。」
わざと小さな子供のように頬を膨らました仕草は合図。病院では微塵も見せなかった激高する感情を、これから一気に発散させる。だから見るなと。坂本は黙って部屋を出た。
「ちくしょう。」
ドアを閉める間際に聞こえた消え入りそうな声。ドアを閉めると同時に聞こえ始めた物を投げつける音、壊す音、引っ繰り返す音。ものの30分もせずに部屋から出てきた井ノ原が言う言葉いつも決まって「おなかすいちゃった。」というにこやかなそれ。商売道具である手に怪我をしない程度にとどめている辺り、理性が働いている証拠で若干安堵する。空き巣が奔放に活動して帰ったかのように荒れ放題の部屋は翌日、井ノ原不在の時間を狙って坂本が片す。思うのは、クレヨンがなければいいのに。ということ。そう。あの少年の一件があって以来だ。こんな風に、井ノ原が仕事を仕事と割り切れなくなったのは。過去を消すことは出来ないなんて言うまでもない常識で、けれど坂本は切実に願わない日はない。叶うならば、消し去ってしまいたいと。
36色のクレヨンは井ノ原にとって、忌まわしい呪縛を齎すアイテムだ。それがある限り未来永劫、救われる日など訪れないのだろう。PR
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職業:
妄想家
自己紹介:
無断転載、引用をすると、呪われます。
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