案外ナチュラルなメイクであんなにかわいくなるなんて、さすが永遠の17歳。
さて、本日のタイトル、気がふれたわけではございません。
アンラブリンク祭り・クリスマス企画への出展作品です。
多少の加筆と修正といたしました。
ごとうにしては珍しい、可愛らしいお話となっております。
出演 : 岡田准一 ・ 井ノ原快彦 ・ 坂本昌行 ・ 長野博
週末で、クリスマスイブで、みんな定時に帰っていった。
同僚に合コンに誘われたが、仕事が残っているし、何より面倒なので断っておく。クリスマスイブ記念合コンなのだそうだ。何の記念だ?
週明けの仕事で使う資料は、一向に出来上がりそうにない。やっぱり引き受けなければよかったなんて、今さら後悔。彼女の誕生日がイブだから、どうしても今日は行かなければいけない。なんて後輩にしつこく泣きつかれて、「岡田先輩様、サンタクロース様、大魔王様!」などと騒ぎ立て、あまりにも必死で煩いから、イヤだと無碍に突っぱねられなかった。それにしても、大魔王様とはひどい言われようだと、後で気づいた。
自分が、日本で一番つまらないクリスマスイブを過ごしているのではないかと思えてくる。キリスト教を信仰しているわけではないから、本当はやらなくてもいいイベントだ。けれど、これだけ国を挙げて騒ぎ立てられれば、他人事と割り切るのも難しい。ふと頭をよぎった。サンタクロースはプレゼントだといって、仕事を変わりに片付けてくれるということはないのだろうかと。・・・・・我ながらくだらない。今のはナシ。
けれど理不尽感は消えない。本当なら、今日は友達のパーティーに顔を出す予定だったのに。
時刻は23:25。あと30分と少しでクリスマスイブは終了。
もうどうでもいい。とにかく仕事さえ終わってくれれば、それでいい。缶コーヒーに手を伸ばせば、すでに空っぽ。
(シャンパン飲みながら仕事してやろうか?この野郎。)
と毒を吐いてみたり。
そもそも、仕事をする場所だとは考えられないくらいに浮かれたクリスマスの飾りつけがやる気を殺いでくれる。苦言を呈したいところだが、所長発信だから手に負えない。やっている仕事の内容とはかけ離れすぎていた。パソコンの中の資料の上に並ぶのはシビアな言葉。クライアントは、どんなクリスマスイブを過ごしているのだろうか。少なくとも、浮かれきって楽しく羽目を外していることはない。
かばんを開けると、手渡されるのを待っているプレゼントが3つ、目に入った。忙しいからパーティーに行ける保証はない。なんて言っておきながら、実は今月の初めから準備していたりして。机の上に並べて、渡す相手のことを想像してみる。今頃は、すっかり出来上がっているに違いない。
ちょっと寂しくなった。慌ててプレゼントをかばんに戻そうとすれば、徐に鳴り出す携帯電話。躊躇なく出る。仕事中なんて関係ない。どうせ、とっくに時間外なのだし。
「もしもし。」
―岡田ぁ!メリクリー!!長野くん、坂本くん、岡田が出たー!
―ほんとに?井ノ原。もしもし、岡田?
「うん。」
―おいおい、アイツ仕事中だろう。もしもし、岡田なのか?
一瞬、切ってやろうかという衝動に駆られた。今日、パーティーに誘ってくれた友達。1人目は電話越しでもはっきり分かる、テンションがMAXを振り切って、完全に出来上がっていて。2人目は単に面白がっていて、3人目に至っては、天然のにおいさえする。
「パーティー、盛り上がってるみたいやね。」
―そーなの!チョー盛り上がってるの!岡田、今ドコ?
「仕事、してるけど。」
―分かった!じゃあ今から、サンタさんが行っちゃいまーす!
「は?何言ってんの?っていうか、イノッチ酔っ払ってるやろ。」
―3人の素敵なサンタが行くからね!プレゼント、チョー持っていくからねー!
「ちょ、待って。行くって・・・・・」
通話終了。井ノ原の「今から行く!」宣言に、後ろでは長野と坂本の「イエーイ!」というノリノリの歓声と拍手が聞こえていた。仕事場がどこにあるのかを知っているから、乗り込んでくるつもりなのだろう。あの酔っ払いっぷりで?もう呆れるとしか言いようがない。
が、同時に実は嬉しい。机の上に改めて並べた3つのプレゼントを見て、思わずクリスマスソングの鼻歌などを口ずさんでしまった。
身勝手な言い分かもしれないが、クリスマスイブは楽しいに限るな。なんて思ったことは、自分だけの秘密だ。
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