今日上げたものはすごいです。
というか酷いです。
グロテスクさに容赦がありません。
それでも大丈夫という方のみ、ご覧ください。
よくよくお考えください。
続きへ進まれますか?
本当に大丈夫ですか?
後悔されませんか?
絶対に大丈夫ですか?
もう一度、お考えください。
大丈夫、ですね?
では、どうぞ。
狂気図鑑
飼う男 坂本 昌行
飼われる男 井ノ原 快彦
悦ぶ男 三宅 健
虐待こそが生きている証になる―――――――。
その先に何も望まない。望むのは、今、生きているという実感だけ。望むのは、自分の居場所がここにあるという現実だけ。望むのは、あなたの笑顔だけ。
初めの痛みは、いつだっただろうか?
タバコを買ってきてくれと頼まれた。どうせ、追いかけてくるのに。もう遠回しなことをしなくても、拒んだりしないのに。
重い身体を引きずるように歩きながら、井ノ原は空を見上げる、今日は、快晴だ。今さら逃げたいとか、痛い思いはしたくないとかいう感情はない。でも晴れた日は苦手。この明るい光の下だと、胸が苦しくなる。逆に雨や曇りの日は、そんな考えは、微塵も浮かんでこない。何が違うのかは、分からないけれど。
聞き慣れたエンジン音が近付いてくる。ああ、今日は轢かれるのだ。
気付かないふりをして、歩く。分かっていても、振り返ったらあなたの機嫌を損ねてしまう。嫌われたくはないんだ。手を離されるのが、何より恐い。
そして跳ね上げられる体。痛くない、大丈夫、慣れているから。アスファルトに叩きつけられる瞬間に、ちゃんと受身を取る。でないと、死んでしまうし、死んでしまったら、もうあなたを悦ばせることも、あなたの笑顔を見ることもできなくなってしまう。だから、何があっても死んだりはしない。グシャリ。という音も、ちゃんと届いたかな。早く近くに来て。笑っている顔を、見せて。
いつのまに狂ってしまったのかなんて、知らない。でもきっと、あなたと出会ってしまったから、こんなにも血に染まる姿を望むのだと思う。
左の瞼が鬱血して腫れ上がっているのは、坂本くんにパイプ椅子で殴られたから。左腕と左足が焼け爛れているのは、坂本くんに火をつけられたから。冬なのにサンダルを履いているのは、坂本くんに爪を剥がされて、足の指先が化膿しているから。右手の中指と薬指が歪んでいるのは、坂本くんが単車で踏んだから。全部、全部、坂本くんが俺のためにやってくれたこと。俺を悦ばせるためにやってくれたこと。
三宅は蹲る井ノ原の傍らに屈んで、広がる血溜りを指でなぞる。そして無邪気な笑顔を浮かべて、坂本にリクエストをした。
「ねぇ、引きずって帰りたいな。」
子供が親におもちゃをねだるのと同じこと。三宅は坂本に、虐待される井ノ原を見るという余興をねだる。屈託のない、綺麗な笑顔で。
声にならない叫びが聞こえるから、応える。誰の撒いた種だとか、そんな細かいことはどうでもいいのだ。自分に希ってくれる人がいるのなら、こんなにも嬉しいことはない。
坂本にとって、井ノ原も三宅も、重みは同じ。天秤に載せたところで、どちらかが余分に傾くことなんて有り得ない。だったら双方の願いを聞き入れて、自分は実行してやるだけだ。それがどんなことであろうと、何も言わず、いつも肯定してやるだけ。そうやって、ここに存在してもいいのだということを、示し続けるのだ。
ねぇ、まだ生きててもいいの?
構わねぇよ。
ねぇ、まだ願ってもいい?
好きなだけ願えよ。
狂気は尽きることなく、生きる悦びとなる。
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