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V6井ノ原快彦氏主演の妄想非恋愛小説を取り扱っております。
No.
2024/04/19 (Fri) 23:51:04

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No.356
2010/02/14 (Sun) 21:59:44

中編の第4話を更新です。

DASHを見ていて、ちょっと雪玉が作りたくなりました。
あ、あんなに大きくなくていいです!(笑)


出演 : 井ノ原 快彦 ・ 長野 博 ・ 岡田 准一 ・ 坂本 昌行















外れた思惑
 
 
 
 和馬の弟が新しい猫を飼い始めた。今度は茶色のとらねこで、近所のペットショップのお姉さんイチ押しの子だったらしい。しかも、そのお姉さんとずいぶん猫トークで盛り上がって、お付き合いまで始まっちゃったっていう。家出中の黒ねこについては、戻ってくれば嬉しいけど・・・と言いつつ、気持ちは完全に新しい子にいっちゃってるみたい。今さら戻って来たとして、むしろかわいそうなのかも。とは近くで見ている和馬の見解。こんな展開になるなら、もっと早く行動を起こしておけばよかった。明らかな後悔先に立たずだけどね。これで長野くん奪還への最短ルートは絶たれた。猫とメンバーを天秤にかけてるんじゃなくて、すでにその行為をするという選択肢さえ持ち合わせていないほどの依存を顕著にしている長野くんは、この先永遠にこちら側には戻ってこない可能性さえ見せてる。これまでファンの子にV6のお母さんとか言われてきた優しくてあたたかい人が消えちゃうなんてイヤだ。家族って表現はあながち間違っちゃいなくて、6人にはそれぞれが担う役割がある。それらが上手くバランスを取ることでグループは成り立っているのに、1つ欠けたことをきっかけに壊れたらどうしよう。坂本くんが昔みたいにやさぐれたり剛と健が輪の中に入ってこなくなったり岡田が5人に対して警戒心を抱いたりしちゃったらどうしよう。怖い。背景はかつてのソレとは違うんだから、きっと俺ががんばったところでどうにもならない。そもそも俺自身、平静を保てる自信がないし。ねぇ、こんなところで躓きたくないよ。どうすればいいのか言ってくれたらその通りにする。代価を払えっていうなら糸目をつけず払う。だから、
「岡田ぁ、ねこって何を貰うのが一番嬉しいのかなぁ?」
「そんなん知らんし。」
せめてもの抵抗。小さな牙を剥く。目を覚ましてと叫ぶ代わりに、サインを出す。スルーされても折れないと、強く奮い立たせた心で生成した強いものを。
「ってゆーか、他に気にすることないん?」
伝われと念を込めた一撃は、
「他に?は、ないなぁ。」
無邪気な笑顔で軽やかにかわされて終了。岡田の懸命な一歩は挫かれた。誰の声なら届くの?なんて、最上級の愚問なんだろうね。分かってる。あのねこの声ならどんなに小さく消え入りそうでも、絶対に聞き逃すことはないんだ。
「いのっち、ソコ笑うところやないから。」
矛先はお手軽な相手へと向けられてしまって、俺だけはせめて笑顔でいよう。とかいう類のスタンスは即否定。後悔はとどまるところを知らない。やっぱりあの日、ロマンに心移りせず長野くんの部屋に行けばよかった。和馬の弟のところに猫が戻ってくれるように俺は、ただまっすぐに進むべきだったのに。ああ、じゃあ悪いのは全面的に俺じゃん。もういっそ、それが最終総括報告でいいや。俺を責めることでみんなの心が晴れてこれからもずっとずっとV6が続くなら、妥協しよう。そうしよう。
 
 
 
 

 
 ひとり
 
 
 
 未来の消滅する、音を聞いた。それは日常にごくありふれた、ドアを閉めるという音。長いあいだ年上3人で続けさせてもらっているラジオの収録スタジオのドアは、難攻不落の要塞を守る分厚い扉にも似ていた。打つ手がないと坂本くんが天を仰ぐ。おいしい天ぷらを出す店を見つけたから一緒に行かないか?そう切り出すことに、どれだけの精神力を消費したかなんて知る由もない長野くんは、さっさと家に帰らなきゃだからパス。猫のためにメンバーとの食事も迷うことなく蹴る。さっさとスタジオを後にした長野くんは見てない。口をへの字に曲げてジッとドアを睨んでる坂本くんの目は、潤いを必死に抑えつつも真っ赤だ。腹立たしさをMAXで注入して投げつけたケータイが、不運にも椅子から立つことも儘ならない俺に直撃した。マネージャーはあたふたしてる。長い付き合いの構成作家が、たぶん長野くんを追いかけるんだろう、しっかりとした足取りで出ていく。その行動は空振りに終わるよ。と心の中で告げながら、俺は俺の右肩経由で床に落下したケータイを拾った。確認の為に操作を試みたけど、何一つ反応を示さない。壊れたのだろう。俺たちと同じだね。ギスギスした空気は痛みの中に、どこかすっきりとした気持ちを感じさせてくれる。答えは出たよ。もうすべておしまいだ。誰も黒ねこに勝てない。誰も、この最悪なシナリオを書き変える術を持たない。15年分の大切な積み重ねは、音を立てる間もなく、消え去っていくんだ。
「さかもとくん、俺はそれでもやめたくないよ。」
絶対に誰の耳にも届かないように細心の注意を払い、呟いた。努力の甲斐あって、誰一人として気付かなかった。
 
 一人で食べるご飯なんて慣れてるはずなのに、今日は味気ないこと甚だしい。坂本くんはあの後、俺が声をかけたら「悪い。」っつって目も合わすことなく帰ってしまった。家に帰るのかどこかの店に向かうのか、アレは今夜は大型ハリケーン並みに荒れるんだろう。けど、ものすごく残念なお報せを直接伝えることはできないけど、メールで送っておいた。明日はメンバーと絡む仕事はないこと。もしもあったとして、今の長野くんは厳しくも慈しみを込めて笑いながら二日酔いの薬を差し入れたりはしてくれないだろうこと。だから飲みすぎないでね。と、付け足しで最後に書いてみたが、きっと坂本くんは途中まででメールを読むことを放棄するに決まってる。長野くんの名前が出た時点で、拒否するんだ。ズルイ人。
ビールのお代わりを店員さんに頼んだ。客のオーダーを却下するなんて接客業の人間的に言語道断だから何も言わなかった店員さんの表情は、ちょっとひきつった笑顔だった。俺、そんなに飲んでる?まだ考え事ができる余地とかあるんですけど。そう思いつつも気になって伝票を見て、すぐに見なかったことにした。坂本くんのこと言えないわ。何かしでかす前に帰ってくれないかなぁ。とか、裏じゃ言われてるんだろうね。でも今日は全然酔えないんだからしょうがない。すごいショックだったんだ、今日のことが。もう決定打。傍らにずっと置いてるケータイは、坂本くんが放置していった例のブツ。こんなモン肴にしてりゃ何十杯飲んでも酔えるわけないか。無駄な気苦労かけてごめんね、店員さん。でも大丈夫。今日は本当に酔える状態じゃない。
 
 結局、あれから焼酎を飲んでワインを飲んでウォッカを飲んで店の偉い人が出てきてやんわりと止められた。微塵も酔えなかったのは俺の都合。良心の呵責がブレーキをかけてくれたので、素直に好意を受け入れて帰宅しておいた。翌日、覚悟していたのに二日酔いにはなってなく、これって病気?とか考えたりしながら、なるたけお気楽極楽な文章の日記を更新。俺はやめない。外面を偽ってでもやめない。悪足掻きだってバカにすればいいよ。ウザいって厄介払いよろしく邪険に扱えばいいんだ。八当たりし放題、上等じゃん。そうやってストレスを少しでも払拭して、6人が離れる日が遠ざかれば願ったり叶ったりだからね。あはは・・・俺、救いようのないヤツ?
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ごとう のりこ
性別:
非公開
職業:
妄想家
自己紹介:
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