V6井ノ原快彦氏主演の妄想非恋愛小説を取り扱っております。
No.377
2011/05/14 (Sat) 21:42:28
高校生トニセンよっちゃんお誕生日編更新です。
こんなスローペースで何やってるんだ!というツッコミがたくさん聴こえる・・・・・
出演 : 坂本 昌行 ・ 長野 博 ・ 井ノ原 快彦
合唱コンクール ②
井ノ原だけに差し入れを買って帰るのもなんだかいやらしい気がして、俺は伴奏の練習で残っている吉田の分もハンバーガーのセットを買い、長野も長野で百均のビニール傘を吉田の分も買った。学校へ向かう途中で雨は降り出し、井ノ原に傘を届けるから2人とも濡れて帰ったりしないようにとメールを入れておく。
「寺山の人選ってさ、正しいよな。」
「そうだね。ちょっと行事に力入れ過ぎでテスト勉強が心配だけど。」
1年の時もそうだったが、井ノ原をクラス委員長に選出したのは担任の寺山だ。井ノ原は学校行事が好きだし、行事ともなると人の数倍よく働く。クラスを仕切り、行事の準備をし、井ノ原が快く引き受けるのをいいことに本来なら教師がやるべき事務の数々も回ってくる始末だ。2年生は合唱コンクール、中間テストを終えると修学旅行がある。その工程表作りや諸々の準備を井ノ原が手伝っている事は俺も長野も知っていた。
「そのうち寺山に井ノ原に感謝の意を示させてやる。」
「学食の食券3カ月分とか?」
「購買の自販機で使えるカード1万円分とかな。」
「坂本くん寺山先生にムカついてる?」
「俺は教師って人種はみんな嫌いなんだ。」
雨足が強くなり始めた。傘を買って迎えに行く事にして正解だったと思う。
学校に到着する頃には雨は小降りになっていたが、突風と表現するにふさわしい風が吹き、蒸し暑い空気が蔓延していた。上着やカバンで雨粒を凌ぎながら駆け足で下校する生徒の姿がちらほらと目に入る。その流れとは逆行しながらまっすぐに3階へ向かう。音楽室は南校舎の3階。誰かが開けっ放しにした廊下の窓から強く風が吹き込んでいる。人気のない学校はかなり不気味だ。
「ピアノの音が聞こえるね。まだ練習は続行中か。」
「雨の中帰っても仕方ないからな。」
音楽室は廊下の突き当たり。距離が縮まるに遵って大きくなるピアノの音と井ノ原の歌声。そしてあと数歩でノブに手を書けたであろう距離に至った際に聞こえたのは、吉田の悲鳴。
「どうしたっ!」
勢い任せにドアを開ければ、驚愕と恐怖の表情で窓に視線をくぎ付けにした吉田の姿と空いた窓、強く吹きこむ風が激しくはためかせるカーテン。井ノ原の姿はそこには無い。
「吉田さんどうしたの?井ノ原は?」
「あ、あの、風で楽譜が・・・」
「大丈夫だから落ち着いて。俺も坂本くんも吉田さんを叱りたいんじゃないんだ。」
「井ノ原くん、窓、窓から、そこから落ちて・・・・・。」
カタカタと震える指先が差すそこから身を乗り出そうとして一瞬躊躇う。直接乗り出せないように設けられた柵が破損してぶら下がっていた。窓枠に手をかけて下を覗き込めば、教頭が大切に手入れをしている色とりどりの花で彩られた花壇の中に横たわる、井ノ原がいた。
井ノ原だけに差し入れを買って帰るのもなんだかいやらしい気がして、俺は伴奏の練習で残っている吉田の分もハンバーガーのセットを買い、長野も長野で百均のビニール傘を吉田の分も買った。学校へ向かう途中で雨は降り出し、井ノ原に傘を届けるから2人とも濡れて帰ったりしないようにとメールを入れておく。
「寺山の人選ってさ、正しいよな。」
「そうだね。ちょっと行事に力入れ過ぎでテスト勉強が心配だけど。」
1年の時もそうだったが、井ノ原をクラス委員長に選出したのは担任の寺山だ。井ノ原は学校行事が好きだし、行事ともなると人の数倍よく働く。クラスを仕切り、行事の準備をし、井ノ原が快く引き受けるのをいいことに本来なら教師がやるべき事務の数々も回ってくる始末だ。2年生は合唱コンクール、中間テストを終えると修学旅行がある。その工程表作りや諸々の準備を井ノ原が手伝っている事は俺も長野も知っていた。
「そのうち寺山に井ノ原に感謝の意を示させてやる。」
「学食の食券3カ月分とか?」
「購買の自販機で使えるカード1万円分とかな。」
「坂本くん寺山先生にムカついてる?」
「俺は教師って人種はみんな嫌いなんだ。」
雨足が強くなり始めた。傘を買って迎えに行く事にして正解だったと思う。
学校に到着する頃には雨は小降りになっていたが、突風と表現するにふさわしい風が吹き、蒸し暑い空気が蔓延していた。上着やカバンで雨粒を凌ぎながら駆け足で下校する生徒の姿がちらほらと目に入る。その流れとは逆行しながらまっすぐに3階へ向かう。音楽室は南校舎の3階。誰かが開けっ放しにした廊下の窓から強く風が吹き込んでいる。人気のない学校はかなり不気味だ。
「ピアノの音が聞こえるね。まだ練習は続行中か。」
「雨の中帰っても仕方ないからな。」
音楽室は廊下の突き当たり。距離が縮まるに遵って大きくなるピアノの音と井ノ原の歌声。そしてあと数歩でノブに手を書けたであろう距離に至った際に聞こえたのは、吉田の悲鳴。
「どうしたっ!」
勢い任せにドアを開ければ、驚愕と恐怖の表情で窓に視線をくぎ付けにした吉田の姿と空いた窓、強く吹きこむ風が激しくはためかせるカーテン。井ノ原の姿はそこには無い。
「吉田さんどうしたの?井ノ原は?」
「あ、あの、風で楽譜が・・・」
「大丈夫だから落ち着いて。俺も坂本くんも吉田さんを叱りたいんじゃないんだ。」
「井ノ原くん、窓、窓から、そこから落ちて・・・・・。」
カタカタと震える指先が差すそこから身を乗り出そうとして一瞬躊躇う。直接乗り出せないように設けられた柵が破損してぶら下がっていた。窓枠に手をかけて下を覗き込めば、教頭が大切に手入れをしている色とりどりの花で彩られた花壇の中に横たわる、井ノ原がいた。
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妄想家
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